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11-05
歯周病の治療
歯周病の治療
・歯周病の治療は早いほどよい
歯周病は、歯を支えている骨(歯槽骨)が溶けてなくなっていく病気です。歯肉炎や初期の歯周炎の段階では、歯ぐきが赤く、少し腫れている状態で、まだ骨は溶けていません。
この時期から治療を始め、その後定期的に予防処置(メンテナンス)を受けていけば、いつまでも健康な状態に歯ぐきを保つことができます。
しかし、病気が進んでから治療を始めると、骨がなくなっているので、たとえ治療がうまくいっても歯ぐきはさがり、歯と歯の間に大きなすきまが残ります。すきまができると、食べ物がはさまったり空気がもれたりするばかりでなく、見た目も決してよくありません。
歯を支えている骨をなくさないために、歯周病の治療はできるだけ早めに始めることをおすすめします。
・歯周病の治療はまず検査から
歯周病の治療は、目盛りのついた細い器具を歯周ポケットの中に入れ、その深さをはかる検査から始めます。同時に歯ぐきから出血がないか、歯石がどこにどのくらいついているか、骨はどのくらいなくなっているかなどをチェックし、歯周病の進み具合を詳しく調べます。
歯周ポケットとは?
歯と歯ぐきの間の溝のことを歯周ポケットといいます。歯周病が進めば進むほど歯周ポケットは深くなり、それだけ歯を支えている骨がなくなっていることを示しています。
健康な歯ぐきのポケットの深さはおよそ2ミリです。
・歯みがき指導と歯垢・歯石の除去
検査で歯周病の状態がわかると、まず歯みがきの指導から始めます。続いて、スケーラーという器具を使って、歯の表面についている歯垢・歯石をとっていきます。この処置をスケーリングといいます。
最初は、歯ぐきが弱く出血が多いので、ポケットの浅いところからとっていきます。
歯肉炎やごく初期の歯周炎は、こうした処置で2〜3週間もすると治ります。
・歯の根面をツルツルにする
歯垢や歯石をとって1週間ほどして、どのくらい歯ぐきが健康になったかを調べるために、再度検査を行います。
歯垢や歯石をとると歯ぐきは引き締まってくるので、今度はポケットの深いところを検査します。
そして、その結果に基づいて、ポケットの深いところの歯垢や歯石を除去し、その後、歯の根の表面を木にカンナをかけるようにツルツルにしていきます。こうしておくと、新たに歯垢や歯石がつくのをかなり防ぐことができます。
治療はポケットの深いところまで器具を入れるため麻酔をして行うこともあります。細かい仕事なので何日分かにわけて行うことになります。
初期から中等度の歯周炎はここまでの処置でほとんど治ります。
・重症の歯周病の治療
歯の根面をツルツルにする処置が終ると、再度検査を行います。その結果、まだ治っていない場合には、重症の歯周病と診断し、腫れた部分の歯ぐきを切る手術をしたり、長時間歯みがき(30分〜1時間)で徹底して歯ぐきを治す治療を行ったりします。
最近では、特殊な技術でなくなった骨を再生することもできるようになりました。
・治療後のメンテナンス
歯周病は、治療が終ったらそれで終わりというわけではありません。歯ぐきの健康を維持するために、その後も定期的に歯科医院で管理する必要があります。これをメンテナンスといいますが、少なくとも年2回は歯科医院でメンテナンスを受けることをおすすめします。
・歯周病の治療では、患者さんの協力が不可欠
歯みがきは歯周病の治療にとって極めて大切です。歯みがきがよくできていないと、歯ぐきからの出血や腫れで、深いところの歯石を見逃したり、歯垢や歯石をきちんと取り除くことができなくなって、治療が円滑に進まないことがあります。
むし歯の治療は、ほとんど先生まかせですが、歯周病の治療は違います。患者さんの協力なしには成り立たないのです。
Q&A 口臭と歯周病は関係ありますか?
口臭の原因は90%が口の中、残りは鼻・のど・肺の病気です。胃や腸が原因となることはめったにありません。
口の中の原因としては、歯周病と舌の上の汚れ(舌苔)が主なものです。口臭が気になる方には、まず歯周病の治療をおすすめします。
歯周病が子どもにもジワジワ
今まで成人病だといわれてきた歯周病が最近子どもにも目立ってきました。
硬い食べ物が敬遠され、あごが小さくなった結果、歯並びが悪くなり、加えて、甘く軟らかい食べ物やジュースを好んでとるため、歯に歯垢がつきやすくなったためです。
さらにクラブ活動や受験勉強が忙しく、歯の手入れではないことがそれに輪をかけています。注意してあげたいものです。