2014
11-05
院内書籍情報
入れ歯のお話

おいしく食べて健やかに!
入れ歯のお話

噛むことの大切さ
 よく噛んで、おいしく食べることは人生の大きな楽しみの一つです。
 よく噛めるかどうかは、歯の数と大きな関係があります。
 これまで噛むことは、食べ物をかみ砕き消化を助ける役割だけだと考えられていました。
ところが、最近の研究によって、よく噛むことで脳の血流量が増加し、また全身の機能までも活性化させることがわかってきました。
 図2は歯の数と日常活動の範囲も示したものですが、歯が21本以上残っている人の8割は一人でどこへでも出かけることができます。
それに対して、歯がなく入れ歯もない人の3割じゃ、家から出ないか寝たきりの状態です。
 よく噛むことは、全身の健康を維持するために重要な役割を果たしています。
 たとえ自分の歯をなくしてもそのまま放置せず入れ歯を入れて噛めるようにしておくと、全身の健康を維持することは十分できます。
 いつまでも健康で快適な生活を続けていくために、日ごろからもっと「よく噛むこと」を心がけましょう。

入れ歯で認知症(ボケ)が治った
ボケと咀嚼(そしゃく)の状態
 介護の現場などで、口腔内を清潔にしたり、入れ歯で噛むことができるようになると、「寝たきりのお年寄りが立ち上がれるようになった」「ボケが治った」といった例が日本各地で報告されています。
 「噛むこと」は、全身の機能を維持することはもちろん、一度低下した脳の働きをも活性化させ、再び蘇らせることができるのではないかと注目されるようになってきています。

入れ歯を快適に使っていくために
・合っているかどうかを調べる
 長い間使っているとあごがやせ、あごと入れ歯の間にすき間ができ、入れ歯が合わなくなってきています。
 そのまま放置しておくとうまく噛めないだけではなく割れる原因にもなります。
・噛み合わせを調べる
 長く使っていると歯がすり減り、噛み合わせがくるったり、高さが低くなったりして、噛みにくくなります。
 年に2回は歯科医院で、入れ歯の噛み合わせや、すき間がないかのチェックをしてもらいましょう。


入れ歯の手入れ
 きれいな入れ歯で、いつもおいしく食べましょう。そのためには、正しい入れ歯の手入れが必要です。
・食後に食器を洗うのと同じです。入れ歯も食後はきれいに洗いましょう。
・汚れの落ちにくい場所は、金具の部分と裏側です。注意してみがきましょう。
・週に1〜2回洗浄剤を使うのもよいでしょう。
※入れ歯は乾くと変形するので、はずしたら水の中に入れて保管してください。

入れ歯についた細菌は、肺炎など全身の病気の原因になります。注意しましょう。


義歯(入れ歯)安定剤について
 義歯安定剤は、間違えた使い方をすると、噛み合わせが変わったり、あごの骨を減らしたりします。
 なるべく使わなくてもいいように、歯科医院で入れ歯をうまく合わせてもらいましょう。
 使う場合には先生に相談してください。


 

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